出雲キャンパスホーム > キャンパス情報 > 保健管理委員会 > 新型コロナワクチン接種の推奨

新型コロナワクチン接種の推奨

 学生・教職員の皆さまへ

出雲キャンパス保健管理委員会
秦 幸吉、福島 加菜美

 新型コロナウイルスワクチンは通常であれば10年~15年かかるところを1)新しいテクノロジーの利用 2)科学技術の進歩と経験の蓄積 3)大量の人的・資本リソース投入 4)パンデミックという社会的要請 5)すべての医薬品と同じプロセス(臨床試験)(治験の簡略化ではない)などの要因で1年足らずで実用化されました。日本でもコロナワクチン接種が進んできて、日本では8月2日現在で2回接種が終了した人が37,944,269人で、総人口の29.8%となっています1)。今後、新型コロナウイルスを制御下に置くためには、(3密+大声)の回避、マスク着用、手洗い・うがいの励行、フィジカルディスタンス確保・移動制限といった非薬物的介入が継続的に順守されるとともに、効率的なワクチン接種プログラムが展開されることが必要です。皆さまの中にも、すでに接種を終えた方、接種を予約された方、順番待ちの方、接種を検討中の方がいらっしゃると思います。
 
 ワクチン忌避(vaccine hesitancy)とは、ワクチン接種を受けたり子供に予防接種を受けさせたりすることを躊躇したり拒否したりすることです。ワクチン忌避は世界保健機関(WHO)によって2019年における「世界的な健康に対する脅威」のトップ10のうちの1つに選ばれました。ワクチンが安全で効果的であるという圧倒的な科学的コンセンサスにも関わらず、その安全性についての根拠のない危惧は未だ生じており、その結果、ワクチンで予防できる疾病による死や流行が引き起こされています。国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターなどの調査によると、日本では新型コロナウイルスワクチン忌避者は11.3%でした2)。その一方で日本でも、コロナワクチンにはリスクを上回るメリットがあり、特効薬が未だ開発されてない現状では、感染拡大阻止の唯一の方法であるという感覚が高まっています。コロナワクチンには「感染予防」・「発症予防」・「重症化予防」などのメリットと、「副反応」・「有害事象」などのデメリットがありますが、ワクチンの特性や医学的な背景を踏まえた上で感染のリスクを勘案し、総合的に判断しても明らかにメリットの方が大きいと考えられます。

 現在、副反応、変異株へのワクチンの有効性などに関する新たな知見が日々報告されて、厚生労働省新型コロナワクチンQ & A3)、新型コロナワクチンについて/首相官邸ホームページ4)には情報が常にアップデートされています。情報収集が苦手な人にも納得できる情報開示がなされていますので、是非、ご覧願います。

1) https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-japan-vaccine-status/
2) https://www.ncnp.go.jp/topics/2021/20210625p.html
3) https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/
4) https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html