保健管理センター長のひとこと(2018年11月)

「フェルメール展」

2018/11/16

保健管理センター長の一言【フェルメール展】

 上野の森美術館で開催されている「フェルメール展」に行きました(写真1、註1)。現存作35点ともいわれるフェルメール作品のうち8点が展示されていました。2015年に京都市美術館で開催された「ルーブル美術館展」ではフェルメール作品は「天文学者」1点のみでしたから、今回、8点も同時に来日しているということは凄いことだと思われます。この8点は「フェルメール・ルーム」と言われるひとつの部屋に飾られていました。
 フェルメール作品は「フェルメールブルー」、「光の魔術師」などと形容されますが、「フェルメール・ルーム」に入るとそんないっさいの言葉を超越した何とも言えない雰囲気が感じられました。フェルメール作品に限らず芸術作品に関して寓話や風刺、教訓など様々な「意味」が付け加えられています。そんなことは後世の人たちが勝手に言ったことであり、とにかく時間をかけてゆっくり鑑賞するのが一番いいのではないかと思います。実際に作品をゆっくり間近で、そして離れて観てみました。私はフェルメールは白色を上手く使って、光の調節を工夫しているように感じました。今日、私たちはスマホ、デジカメ、一眼レフなどで写真を撮り、その後、様々な機能を駆使して試行錯誤しながら編集して納得できる写真に近づくように試みます。それは写真を撮った者ではないと分からない写真に込めた思いがあるからです。フェルメールは私たちが日常、写真を撮り・編集する作業と同じように絵を描くことでその場面に込めた思いを伝えたかったように思います。寓話や風刺、教訓などで意味付けることなど必要ないのではないかと考えています。蛇足ですが、フェルメールが手がけた風景画は2点しかないとされています。その一つに「デルフトの眺望」という絵があります。この絵を何でフェルメールが描いたのかについては涙が出るくらいの逸話があります。
 今回、「牛乳を注ぐ女」という作品があります。この場面をイメージした「フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ」がSoup Stock Tokyoで販売されていました(註2)。飲んでみましたが、臨場感あふれるスープでした。スープストックセットというスープ2つ(Sカップ)とご飯orパンのセットを頼み、もう一つは「ゴッホの玉葱のスープ」を選びました(図2)。このような食べ物を「アート飯」と言うそうです。こんな遊び心もいいなあと思いました。
 上野にはいつも国内外からいろんな世界最高級の芸術作品が来ています。パンダもいます。心のリフレッシュにとてもよかったです。

註1 https://www.vermeer.jp/point/
註2 http://www.soup-stock-tokyo.com/vermeer/

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写真1                             写真2

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