保健管理センター長のひとこと(2018年7月)

ルーブル美術館展

2018/7/25

保健管理センター長の一言【ルーブル美術館展】

 先日、国立新美術館で開催されている「ルーブル美術館展」に行きました(関連写真を4枚掲載しています)。東京で学会があり、学会開催日前日の夕方に東京に着きましたが、その日はルーブル美術館展が21時までやっていたので行ってみました。音声ガイドナビゲーターは人気俳優・高橋一生さんで、このことを高橋さんのファンである娘から聞いていたこともあり、行ってみたいと思っていました。ナポレオン肖像5点をはじめとするルーブル美術館所蔵の肖像110点が展示されていました。代表的な展示は写真3で提示しています。
 「アルコレ橋のボナパルト」(写真3中段向かって左、写真4)はこれから権力の頂点に立とうとする若き日のナポレオン・ボナパルトの勢いが伝わって来そうでした。27年ぶり来日の「美しきナーニ」(写真3下段向かって左)はナーニとは誰か?モデルは実在したのか?それとも理想の女性像なのか?などいろいろなことが未だに議論されている神秘的な作品です。今回の展示で私が一番気に入ったのはレンブラント作の「ヴィーナスとキューピッド」です(写真は掲載してないですが、HPには出ています)。この絵のヴィーナスは多くの芸術家たちが描いてきたヴィーナスと違い、半裸の美しい女神ではなく、衣服を着て日焼けした大きな手の掌をキューピッドの頬に触れています。キューピッドも羽は生えていますが、普通のキューピッドと服装が明らかに異なっています。この絵のモデルはレンブラントが晩年愛した内縁の妻ヘンドリッキエと娘コルネリアだとされています。自分の愛する家族を古代ローマ神話に登場する「ヴィーナスとキューピッド」になぞって描いたとされています。とても素晴らしいと感激しました。
 今回のルーブル美術館展のテーマは「肖像芸術 -人は人をどう表現してきたか」です。最後に展示されているアルチンボルド作の「四季」連作からの<<春>>(写真3下段向かって右)と<<秋>>を見るまでこのテーマの意味が分かりませんでした。この2点はその季節の旬の草花・野菜などで人間の横顔を描いています。横顔の肖像画は当時の権力者が好んで描かせた肖像画であると言われています。アンチンボルドは二代のウィーン皇帝に愛された画家です。民衆だけでなく神羅万象万物すべてを掌握する皇帝の権力をこの絵で表現したかったのではないでしょうか?本当に奥深く楽しむことのできる絵でした。
 現代ではデジカメやスマホで撮った人物写真をPhotoshopなどで意のままに加工できます。最近、スマホ上でも加工できる技を知りました。しかし、やはり初めに撮影した画像がよくなければ、いくら加工しても撮ったときの写真に込めた思いを上手く表現することはできないと感じています。それだけ、撮影するときの条件設定は難しいものです。肖像芸術には作品を依頼する人・モデル・製作者の思いが巧みにそして重厚に込められているから、素晴らしい作品として後世に伝わっていくのだと思いました。このような素晴らしさ・美しさに感動して、その記憶がしっかりと残ると幸福な感じになるとされています。私は日頃から身の周りで起こることに「素晴らしい・美しい」と言うことにしています。
 今回の「ルーブル美術館展」は秋からは大阪で開催されますので、妻は大阪に行くようです。また、現在、先日まで東京で開催されていた「プーチキン美術展」が大阪で開催されています。さらに秋には現存するフェルメール絵画35点中8点が東京に来るようです。
 先日、写真3をFacebookに掲載したら、友達から「先生、ルーブルの人々に馴染んでいますね。」とのコメントをいただきました。写真4の実物がご覧になりたい方は研究室までお越し下さい。
 
ルーブル美術観点のHPです。http://www.ntv.co.jp/louvre2018/

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写真3                           写真4

          

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