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新型コロナウイルスとの共存(保健管理センターより)

学生・教職員の皆さまへ

 米国時間4月30日、米ミネソタ大学「感染症研究政策センター」が、新型コロナに関する見解を記した報告書「COVID-19パンデミックの今後:パンデミック・インフルエンザから学んだ教訓」を発表しました。それによると、COVID-19の世界的大流行は、集団免疫が徐々に獲得されつつ、18〜24ヶ月間続くことが予測されています。さらにこの報告書では、新型コロナが今後どうなるか、3つのシナリオを提示しています。その中で「2020年春の第1波の後、2020年の秋か冬に大きな第2波が起き、2021年に1つ以上の小さな波が起きる。」という最悪のシナリオがあります。

 そんな中、日本では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)新規感染者の減少により、5月25日に緊急事態宣言は全面解除となりました。しかしながら、これはCOVID-19が終息したわけではなく、新型コロナウイルスはわたしたちと共存していることを忘れてはなりません。新規感染者の減少はPCR検査数の最近の減少も影響していて、 不顕性感染者(症状を呈していない感染者)が今もなおかなりいる と考えられます。日本に比べて、規制の厳しかった韓国、ドイツでは緩和開始からわずか数日で感染者数が増加しています。日本では、外出自粛要請を原則解かれ、テーマパークを含む大規模な遊興・遊技施設などへの休業要請を新たに解除するほか、飲酒を提供する飲食店に対する営業時間の制限も撤廃されつつあります。このような状況が続くと、ゴールデンウイーク(GW)後からの自粛ムードの緩みも加わって、人と人との接触が増え、解除後に都府県を越えた自由な往来が増えると、再び感染者が増える可能性があります。また、不顕性感染者がかなりいることを考慮するとクラスター(感染者集団)のリスクが潜在的に存在することを忘れてはなりません。 「2020年の秋か冬に大きな第2波」が到来する前に、6月中旬から下旬ごろに再び、流行が再燃することが十分に考えられます。

 ワクチンの開発や集団免疫の獲得までは、緊急事態宣言発令/解除にかかわらず、感染症防止の基本であるマスク着用を徹底し、かつあまり大声で喋らずにいる。手洗い・顔洗い・うがい・マスク着用を含めた咳エチケットの徹底。3密(密閉、密集、密接)の回避。そして、人との接触を減らすためソーシャル・ディスタンシング確保などを続けなければならないと思います。そして緊急事態宣言中に行ってきた生活様式を忘れずに、自粛ではなく、「習慣」とする姿勢が、新型コロナウイルスとの共存には必要です。

保健管理センター    
秦 幸吉、福島 加菜美