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移動の自粛(保健管理センターより)

学生の皆さまへ

 5月25日に「新型コロナウイルスとの共存」(保健管理センターより)の中で「2020年の秋か冬に大きな第2波が到来する前に、6月中旬から下旬ごろに再び、流行が再燃することが十分に考えられます。」と記載しています。5月25日に緊急事態宣言が全面解除されて、人々の活動が活発化すれば、感染が再び拡大することは明らかに分かっていたことです。現在、感染が全国的に広がりつつある状況ですが、その特徴は明らかです。主に首都圏のホストクラブなど夜の繁華街、飲食店、カラオケ店、劇場、職場、家庭内などのクラスターでの感染した人が、仕事、観光、帰省などで地方に行き、そこで、会食などをして地方の人に感染させて地方に拡大しています。また、地方の人が首都圏に行き、不顕性感染者が多数存在している首都圏で感染して、その人が地元に帰り、会食、職場、家庭内などで感染を広げています。したがって、感染が拡大している地域に行かない、感染拡大地域からやってきた人と接触しないことが、最大の感染防止策だと思われます。

 英国・オックスフォード大学のNazrul Islam氏らが世界149ヵ国を対象に実施した自然実験では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への介入としての身体的距離(フィジカルディスタンス)の確保は、COVID-19の発生を13%抑制しました。身体的距離の確保は学校閉鎖、職場閉鎖、大勢の集まりや公的行事の規制、移動制限で行われました。そして、移動制限は実施時期が早いほうが抑制効果は大きいことが明らかとなっています。COVID-19に有効な治療レジメンやワクチンのエビデンスがない中で、感染を最小化するための最も実践的な介入として、身体的距離の確保、とくに移動制限の実施はとても有効であることを示す報告です。

 特に感染が広がっている地域への帰省は、慎重に考える必要があります。感染が広がり、人と接触していると、無症状のまま感染する可能性があります。帰省して友人同士で話や食事をすることは感染するリスクがあり、できれば避けたほうがいいと考えます。新幹線や飛行機は換気がされているため、乗っているだけで集団感染が起きる心配はないでしょう。ただドアなどを触る時に手にウイルスがつく可能性はあるため、目や鼻、口を触らないことと、手洗いが大事です。消毒薬を持ち運ぶのも良いと思います。

 この夏、帰省される皆さんには、COVID-19感染防止に最大の注意を払っていただくようにお願いします。

保健管理センター
秦 幸吉、福島 加菜美