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新型コロナウイルス感染症防止の4要素(保健管理センターより)

学生の皆さまへ

保健管理センター    
秦 幸吉、福島 加菜美

 師走になり、急に寒くなり冬らしくなってきました。これから、季節的にもウイルス感染流行が本格化すると思われます。京都大学教授の理論疫学者、西浦博先生によると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)二次感染(最初に発症した人から次の人に感染が拡がること)を防ぐ4要素は「人口密度」 「気温」 「移動」 「コンプライアンス(感染対策をしっかりと守る意識)」です。

 やはり、「人口密度」の高いところほど屋内に入って長時間、密接な接触をする機会が多いからだという本当に単純なメカニズムと考えられます。「気温」に関しては、北海道、宮城、大阪、東京で「気温」と「実効再生産数(一定の対策下で1名の感染者が感染期間に新たに感染させる人数の平均 )」には負の相関が認められています。さらに、全州でCOVID-19が増えたアメリカでもこの負の相関が明らかになっていて、気温が低いほど二次感染が増加するということが明白です。アメリカの各州で「気温」と「人口密度」で実効再生産数の濃淡も明らかになっています。最近、寒くなってきて感染者数が加速していることを裏付けるような気がします。

 「人口密度」と「気温」については個人の力では何もできませんが、「移動の制限」とか「コンプライアンス」は個人でできることで、しっかりやらないといけません。感染予防の観点からは移動していいはずはないです。100年前のスペイン風邪パンデミックからも明らかです。12月1日現在、本学で定めている「特別感染警戒地域」はほとんどがメガロポリスで人口密度が高い地域です。行かないこと、そしてその地域から来た人とは会わないことが賢明です。

 「コンプライアンス(感染対策をしっかりと守る意識)」というのは個人の行動に左右されるものが大きいです。3密+大声の回避をしているか、飲酒を伴う会食を自粛できているか、人と人との距離を取ることがどれぐらい守られているか、マスクの着用がどれぐらいできているか、手洗い・うがいを励行しているか、自分は無症候感染者かもしれないので人に感染させないためにはどうしたらいいかを考えるなど、そういうことに相当します。

 11月の3連休には、国内で人の移動が活発化しました。来週以降、この影響で全国的に感染者が増加する可能性が懸念されます。山陰地区でも、最近、感染拡大地域からのウイルス持ち込みによると思われる症例が発生しています。そんな中、「人口密度」 「気温」 「移動」 「コンプライアンス」という二次感染防止要素をしっかりと理解し、個人個人が自覚ある行動をすれば、かなりの率で二次感染は防げるのではないでしょうか