地域文化プロジェクト
学びの集大成としての卒業研究
3・4年次では専門分野の学びをさらにふかめるため、各研究室(ゼミ)に所属し、自身で設定したテーマの調査・研究を行います。ゼミ内での発表や学科全体で行う中間発表をふまえ、卒業論文にまとめます。文献の輪読や教員がすすめるプロジェクトへの参加など、ゼミで共通の課題に取り組むこともあります。
※研究室については、予告なく変更される場合があります。
〈地域文化プロジェクト 研究室一覧〉
◆英語学研究室(田中ゼミ)
英語学や社会言語学の領域を対象とします。特に言語と社会、言語と背景文化の視点から英語についての調査・研究をします。現在のゼミ生は、英語の接辞、英語のコロケーションなどの視点から取り組んでいます。(過去の卒論テーマ)
- 実態調査による和製英語に関する一考察
- コーパスを利用した医学的意味を持つ接尾辞に関する研究
- 英語コロケーションについての一考察―コーパスにより調査と辞書記述の比較を通じて
◆英語学研究室(マユーゼミ)
ゼミでは、私たちがことばで表現しているのはモノやコトのあるがままではなく、私たち人間の解釈を反映したものであるという考えに立つ認知言語学を学びながら、英語表現とその意味について研究しています。(過去の卒論テーマ)
- 中学・高校英語教科書における前置詞の多義性のあらわれ方―at, in, onを中心に―
◆英語教育学研究室(ラングゼミ)
日本人のように英語を母国語としない人がどのように英語を学習したらいいのか、教員はどのやり方で指導すればいいのかを研究しています。多読・多聴法やアプリを使った語彙習得など、効果的な英語習得法を探りながら学生と一緒に取り組んでいます。(過去の卒論テーマ)
- 洋楽と英検リスニング問題を使用したリスニング力向上の差異
- 動画を使用した英単語習得の有効性
- 英語リスニング能力におけるシャドーイングとディクテーションがもたらす効果
◆日本語学研究室(高橋ゼミ)
現代日本語の文法を主に扱います。日本語理解のために外国語との対照も行います。ゼミ生も外国語学習に果敢にチャレンジしています。もちろん日本語の文法に専念することも可能です。日本語らしさを考えるゼミです。(過去の卒論テーマ)
- 小説における比喩の機能について
- 「テシマウ」の用法について:ドイツ語と比較して
- 日本語「なる」と韓国語「되다」の用法比較
◆英文学研究室(松浦ゼミ)
英語で書かれた文学作品、その作者である詩人・作家、作品の背景や前提となる文化や社会について研究します。基本は、作品や関係の資料の行間から聞こえてくる何らかの「声」に、しっかり耳を傾けることです。(過去の卒論テーマ)
- Call Me By Your Name研究―“I remember everything”がもたらす印象の違い―
- The Lion, the Witch and the Wardrobe における「いわずにいられないこと」とは
◆古典文学研究室(山村ゼミ)
上代・中古の古典文学、伝承文学を扱い、語句の分析を通した文学的・思想的考察、作品研究を行います。ゼミでは神話を研究する学生が多く、県内に豊富な史蹟や博物館なども利用して、作品や時代への理解を深めます。(過去の卒論テーマ)
- 『古事記』出雲神話における異界
◆近代文学研究室(岩田ゼミ)
明治以降に書かれた日本の文学を対象とします。小説がメインになりますが、詩や童話なども含みます。文学作品から取り出すことのできる情報は無限大。〈読む〉ことは〈書く〉ことと同様、スリリングで創造的な営みです。(過去の卒論テーマ)
- 泉鏡花『龍潭譚』における千里の母恋い成就について
- 安部公房文学における変形のイメージについて
- 吉本ばなな作品における死と回復
◆アジア文化研究室(塩谷ゼミ)
文化人類学的な視点から、人と文化に関する研究を行なっています。「文化」には、多様なものが含まれます。ゼミ生の関心に基づいて、研究テーマと対象とする地域、いずれも多様性に富んでいるのが特徴です。(過去の卒論テーマ)
- ボランティアの参加動機とモチベーションに関する考察―日本語教室でのインタビュー調査を通じて―
- 食を通した異文化理解―山陰の事例から―
- ファッションを通じた女性の主張―シャネルとギャルを中心として―
◆民俗学研究室(中野ゼミ)
民俗という視点から地域の過去・現在・未来を考えています。地域といっても県や市といった広い範囲ではありません。人々の生活が凝縮した集落という小さな地域です。ゼミでは実際に集落へ出かけ、住民の皆さんと一緒に色々な活動を行っています。(過去の卒論テーマ)
- 石見神楽の創作演目に関する研究
- 暮らしのなかの植物利用―松江市島根町を事例に―
- 氏神社の遷宮と地域
◆歴史学研究室(増原ゼミ)
特定の地域の歴史というより、私たちはいったい何者で、どんな社会を作ってきたのか、これからどこへ行くのかについて共に考えます。講読と議論の末、「世界の見え方が変わった」と実感する時が来るかもしれません。(過去の卒論テーマ)
- 寺院と地域社会のゆくえ―寺院消滅の危機を超えてー
- アマゾン先住民族ヤノマミと私たちの未来
- 家族の在り方から見る「無縁社会」
◆日本史研究室(杉ゼミ)
私たちのゼミでは、過去について「覚える」のではなく、過去について「考え」ます。学生は自らの関心に基づいてテーマを設定し、歴史資料(史料)を素材として研究を行います。古文書の実物に触れる機会もあります。(過去の卒論テーマ)
- 修験者野田泉光院による出雲国の評価とその背景
- 『大保恵日記』にみる新屋太助の信仰
- 松江藩の追放刑とその特徴―中国諸藩との比較から―
◆地域居住環境学研究室(藤居ゼミ)
ゼミ学生の地元の住環境を快適にすべく、地域資源を調べる力、まちづくり(都市計画)&むらづくり(農山漁村計画)を判る力、住宅の価値を高める力を養います。伝統的建造物群保存地区の瓦屋根から、住居の歴史と社会を探究しています。(過去の卒論テーマ)
- ガス設備が三世代同居の住生活にもたらす影響
- 庁舎建設における地方自治体の建築材料選択の特徴
- 住宅ローンの借り換えによるライフプランの構築
◆観光文化研究室(工藤ゼミ)
ゼミでは、学生自身が観光と文化に関するテーマを設定し、研究しています。学生は、先行研究に基づき、自治体、民間団体、業者等を対象にヒアリング調査を実施し、ゼミ内での報告・議論を通して理解を深めます。(過去の卒論テーマ)
- 松江の「茶の湯文化」
- 島根県における食を活かした地域振興の可能性
- 文化的視点から見る富士山の存在と周辺地域の関わり方
◆観光学研究室(竹田ゼミ)
観光まちづくりの考え方を手がかりに、地域住民も訪れる人々もお互いが満足できる観光とはどのようなものかについて考えます。文献講読とそれらをふまえた議論、そして地域での実践を通して、観光と地域づくりについて理解を深めます。(過去の卒論テーマ)
- 出雲阿国観光の今来と未来
- 高瀬川周辺地域の活性化における観光まちづくりの意義
- 廃止になった線路跡地を活用した観光の課題と展開可能性―JR三江線の跡地活用の取り組みを事例に―
◆図書館情報学研究室(木内ゼミ)
図書館情報学とは図書館及び知識や情報を対象とする学問です。本研究室は学校図書館、公共図書館、大学図書館など幅広く研究を行っています。研究室全体のプロジェクトとして「大森町まちなか図書館」(石見銀山)に関わっており、館内配置、サービスや運営の方法など研究しています。そのほか図書館見学など研究と実践のバランスをとっており、学生さんの創造力が発揮される場としての研究室運営を心がけています。(過去の卒論テーマ)
- 公共図書館における利用者行動と館内環境
- 島根県立大学松江キャンパス図書館ラーニング・コモンズの有効活用
- 図書館と公共施設の複合化
◆国語教育学研究室(古賀ゼミ)
国語教育学は、国語科授業の目標や生徒の学びのメカニズムを総合的に探究する学問です。ゼミでは各人の個人研究と並行して授業観察や学習ボランティアも行い、理論と実践の両面から国語教師としての力量を高めます。(過去の卒論テーマ)
- 国語科におけるメディア・リテラシー教育についての研究
- PISA型読解力育成のための教師の形成的評価についての研究
- 内向的な生徒に着目したコミュニケーション教育の研究